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パネットーネの季節 —伝統のミラノ? 漸進的なヴィチェンツア?—

11月1日の諸聖人の日(お墓参りの日)を過ぎる頃にミラノのお菓子屋、パン屋の店頭に並び始めるおなじみのパネットーネ。クリスマスはこのパン菓子で祝うのがイタリアの伝統的な習慣です。パネットーネの歴史はミラノのご領主さま、ロドヴィコ・イル・モーロの宮廷料理人トーニがクリスマスのディナーに偶然に発明したとされる”トーニのパン”-パネットーネに遡り、今ではミラノの象徴となっています。

2004年12月にイタリアの品質保証制度であるIGP(保護指定地域表示)認可を取得。EUレベルでも認可されヨーロッパ中に知られる名物パン菓子となりました。ミラノ商工会議所では伝統的レシピーと製法に忠実なロンバルディア州のパネットーネ製造者には真性証明の認定ステッカーを配布しています。認定は現在105件。商工会議所顧問のゼーニ氏は「ミラノのIGP伝統パネットーネは消費者に対して良質品であることの保証です」と言い切ります。

その一方で伝統的なミラノ産のみならず、ヴェネト州ヴィチェンツア郊外で発案、製造されているパネットーネにも注目が集まっています。1938年創業のロイソン社は現在のダリオ社長で3代目。海外にも多く輸出し、フランスの有名グルメブランドの製造も請負っています。こちらのパネットーネは、18種類ものフレーバーが用意されているのが特長。まさにパネットーネのコレクションといえるでしょう。

今年の新製品はダリオ社長が4年の歳月を費やしてついに完成したというスローフード保護認定の柑橘”サヴォ−ナ産キノット風味”です。ほかにも、クリスマス限定新製品の「洋梨とスパイス風味」を筆頭に、シチリアのマンダリン、イチジク、チェリー、チョコレート、カフェ、マロングラッセ、アーモンド、プロセッコ風味、シリアル、などなど従来のパネットーネのレシピーの常識を覆すラインナップ。

さて、今年のパネットーネは、本場ミラノのクラシックを選ぶか、ヴィチェンツアのお好みコレクションにするか、あなたならどちらを選ぶ?

(左)ビール酵母などを使用しない完全12時間の天然発酵で焼き入れ直前の状態。切込みを入れバターを置いていく。こうすると表面もビスケット状にならず柔らかく仕上がる。
(右)菓子部門責任者のピエロさんはこの道40年のキャリア。パネットーネ1個を完成するのに3日間かかるという。



3代目ダリオ-ロイソン氏。「なかなか困難な仕事で毎日が挑戦だと思っています。常に最高素材を探して希少価値のあるグルメ商品作りを考えています」


店舗詳細

名称:ロイソン社
住所:S.S.Pasubio,6 CostaBussara(Vicenza)
FAX:+39-0444-557869
営業時間::08:00~12:00/14:00~20:00
神林充香

神林充香(かんばやしみつか):グルメライター

ミラノ在住19年。学生時代のグルメ好きが嵩じ今やイタリアのレストランガイドブックに寄稿。歴史と風土に根ざしたイタリアの伝統食、食材に尽きない興味が。イタリア全国オリーブオイル試飲員協会メンバー、国立記者協会、外人記者クラブ会員。皆様のご意見ご要望をお知らせ下さい。


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