辻口シェフと並び、常に話題を集める行列パティスリーのオーナーシェフ鎧塚俊彦氏。カウンターで供するア・ラ・ミニッツのサロン・ド・デセールという新スタイルを確立し、業界に新風を吹き込むとともに多くのスイーツファンを魅了し続ける個性派パティシエだ。意外な共通点も多く、良き友人でもある二大パティシエトークは、思い出話から理念、思わぬ秘話も飛び出し、終始笑いの絶えない対談となった。
取材・文:並木麻輝子 撮影:原 幹和
取材・文:並木麻輝子 撮影:原 幹和
非効率的で説得力のあるTOSHI YOROIZUKA スタイル
辻口:このコーナーでは、毎回パティシエやクリエイターなど、さまざまな業界から大物ゲストをお迎えして対談をしていきます。その第一回目のゲストとして、パティシエ鎧塚俊彦さんにご登場いただきました。早速ですが、「トシ・ヨロイヅカ」の最新ニュースといえば、リニューアルでしょうか?
鎧塚:そうですね。ミッドタウン店オープン以来、予約注文のみだった恵比寿本店が、9月17日にリニューアルオープンしました。恵比寿店はテイクアウトのみになり、売り場を広げて、以前カウンターがあった場所には生菓子とショコラの冷蔵ケース、焼き菓子の陳列棚を1列に配置しています。あと、恵比寿とミッドタウンの厨房だけでは手狭になったので、別の場所に88坪ほどのラボをつくりました。
辻口:鎧塚さんは普段どこにいるんですか?
鎧塚:ラボや恵比寿も回りますが、拠点はミッドタウンです。カウンターもミッドタウンのみなので、基本的には常時ここでデセールを作っています。辻口さんも新店をオープンされたんですよね?
辻口:9月20日、金沢市の石川県立美術館内に「ル ミュゼ ドゥ アッシュ KANAZAWA」をオープンしました。今までコンセプトの異なる10ブランドを展開してきましたが、新たなるキーワードは玉露。「コンセプトG(G=GYOKURO)」と称して、雅な和の空間の中、最高級の玉露とオリジナルのスイーツを堪能していただきます。本多の森を望むガラスばりの店内奥には、5席の黒塗りのカウンターを配した完全予約制の茶室もあって、ここではお茶に合わせたスイーツコースを楽しんでもらえるようになっています。
辻口:僕らが初めて会ったのって、たしか、某食材輸入会社の食事会の席ですよね?(※)その頃ヨーロッパから戻って間もない鎧塚さんを紹介されたのが最初だったと思います。
鎧塚:帰国したばかりの僕にとって、まさにスーパースターに会う感覚でした。
辻口:え、そうなの? 緊張した?(笑)

鎧塚:そうですね。ミッドタウン店オープン以来、予約注文のみだった恵比寿本店が、9月17日にリニューアルオープンしました。恵比寿店はテイクアウトのみになり、売り場を広げて、以前カウンターがあった場所には生菓子とショコラの冷蔵ケース、焼き菓子の陳列棚を1列に配置しています。あと、恵比寿とミッドタウンの厨房だけでは手狭になったので、別の場所に88坪ほどのラボをつくりました。
辻口:鎧塚さんは普段どこにいるんですか?
鎧塚:ラボや恵比寿も回りますが、拠点はミッドタウンです。カウンターもミッドタウンのみなので、基本的には常時ここでデセールを作っています。辻口さんも新店をオープンされたんですよね?
辻口:9月20日、金沢市の石川県立美術館内に「ル ミュゼ ドゥ アッシュ KANAZAWA」をオープンしました。今までコンセプトの異なる10ブランドを展開してきましたが、新たなるキーワードは玉露。「コンセプトG(G=GYOKURO)」と称して、雅な和の空間の中、最高級の玉露とオリジナルのスイーツを堪能していただきます。本多の森を望むガラスばりの店内奥には、5席の黒塗りのカウンターを配した完全予約制の茶室もあって、ここではお茶に合わせたスイーツコースを楽しんでもらえるようになっています。
辻口:僕らが初めて会ったのって、たしか、某食材輸入会社の食事会の席ですよね?(※)その頃ヨーロッパから戻って間もない鎧塚さんを紹介されたのが最初だったと思います。
鎧塚:帰国したばかりの僕にとって、まさにスーパースターに会う感覚でした。
辻口:え、そうなの? 緊張した?(笑)


鎧塚:いや、スーパースターなんですけど、僕ね、基本的に誰と会ってもあんまり緊張しないんですよ(笑)。
辻口:(笑)。僕はね、鎧塚さんがヨーロッパに長く居たと聞いていたので、「これからどういうスタイルで展開していくんだろう?」とすごく興味がありましたね。それがカウンターでア・ラ・ミニッツのデザートを食べさせるっていう、なんとも斬新な展開で……。バランスとしてアシェットのスペース比率を考えると、非効率的に思えたんですけど。
鎧塚:すっごく非効率的ですよ。皿の占めるスペース、カウンターの占めるスペース、 作業性、すべてにおいて非効率的だってみんなから言われます(笑)。
辻口:ですよね。ただ、それゆえに鎧塚さんの人となりだとか、表現したいことがダイレクトにお客さんに伝わる。そういう意味では、これ以上説得力のあるスタイルはないと感じましたね。
鎧塚:僕は最初、店も持たず、催事などを渡り歩く「菓子屋のテキ屋」みたいなこともしていました。そんな僕から見ると、辻口さんはずーっと第一線で活躍されてきたスーパースター的な存在でした。僕なんか、サボってもいないし、一生懸命やってるつもりなんですけど、コンクールに出たら負けちゃうし、がんばってるのになかなか形にならないことも多くて。
東京で商売するっていうのは、やっぱり最初はコワイですよね。どう受け入れられるか予測もつかないし。
辻口:たしかに。
鎧塚:それで、お客様においしいものを召し上がっていただきたい、そのためにはどうしたらいいのかを僕なりに考えたときに、「目の前で出来たてを食べてもらうというのは絶対おいしいだろう、喜んでもらえるんじゃないかな」と思ったんです。最初はたった6席のカウンターからのスタートでした。それが徐々に皆さんに受け入れられて、おいしいねって言っていただけるようになって……。嬉しいですよね。
※2003年2月、ルーツ貿易株式会社主催の会にて。
鎧塚俊彦プロフィール
Toshi Yoroizukaオーナーシェフ 鎧塚俊彦スイス、オーストリア、フランス、ベルギーと8年間ヨーロッパで修行を積み、パリでのコンクール優勝。ベルギーでは日本人初の三ツ星レストランのシェフパティシエに就任。
2004年、恵比寿にToshi Yoroizukaをオープン。素材の持ち味とライブ感覚を重視したa la minute(常に出来たてを提供)のデザートとスイーツを提供。
2007年、六本木にToshi Yoroizuka MidTownをオープン。










