パティシエ頂上対談 鎧塚俊彦×辻口博啓 「互いのスタイルを語る」

パティシエ界の野茂が広げた日本のスイーツの可能性

鎧塚:辻口さんという人は野茂みたいな存在なんですよね。現在は日本からもたくさんの選手が大リーグに行きますけど、最初にどーんと枠を超えて走り出した人というか。それを見たとき「うわっ、すごいなぁー!」と思うとともに、僕が辻口さんについて行っても、こんなすごい人と同じことをしてもダメだろうと思ったんですよ。だけど、僕もどっかに向かって走った方がいいんじゃないかと感じて、躊躇せずにダーッと走り出したら、少しずついい方向に向かった気がします。

辻口:結果的にその方向が鎧塚さんの個性につながったんでしょうね。

鎧塚:今後辻口さんのおかげで、あちこちに向かって走り出す人が出てくるんじゃないでしょうか。今までは、いろんな人がいつつも、何となく方向性が似ていたというか、あまり広くない幅の中で競争している感があったんですけど、辻口さんは、みんなが右に走って行くところを、ひとりでドカーンと左に向かって疾走していったような印象でした。

辻口:アハハ……(笑)。

鎧塚:そのとき、「それありなんだ!?」ってはじめて気づきました。目から鱗が落ちた感覚。でも、それって何人か走り出すと「なるほど、OKなんだ」とみんな気づくんですけど、最初はなかなか思い浮かばないんですよね。先頭切って逆に走る勇気もないし。今はそういう人も少しずつ出て来て、今後はもっとおもしろくなって来ると思います。辻口さんはいい意味で、最初に違う方向に走り出した先駆者ですよね。勇気ある暴れん坊というか。

鎧塚俊彦、辻口博啓
鎧塚俊彦×辻口博啓

辻口:ははは……(笑)。僕はただ、常にやりたいようにやってるってだけです。僕の中では「生きる」ということがテーマなので、「自分自身を精一杯生きるっていうのはどういうことかな?」と考えたときに、人の意見がどうのとか、人がやってるから僕も同じことやろうなどというのはないんですよね。自分で見て、いいなと思えるものがあれば取り入れるし。要は自分自身で自分のフィールドを広げてくような感覚。僕なんて、「職人なのに、なんだその金髪は」とか、いろいろ言われることもあるわけですよ。

鎧塚:でも黒くしない?

辻口:しない。そういうところで無理に押さえられると、発想そのものがつまんなくなっちゃうし、もっといろんな意味で可能性を秘めた業態だと思うんですよね。「生きる」ということが一つのテーマになって、そこから一つのビジネス、一つの自己表現というのが生まれてくる。だからなにも人から言われたことをそのまんまやらなくてもいいと思うんです。同じように命が与えられたわけだから、その中で自由に走っていいというのが僕の考え方なんですよね。そのせいか、一見かなり無謀な人にも見えるみたいだけど(笑)

鎧塚:いやいや……(笑)、今はもうそんなことないと思います。みんなも認めているというか。

Cafe Rose Yumi Rose (ローズ・ユミ・ローズ)

対談の舞台となったのは、バラのモチーフが溢れる「ローズ・ユミ・ローズ」。ブライダルデザイナーの桂由美さんのカフェだ。純白な空間に、白衣を着たシェフ2人の対談となった。
「ローズ・ユミ・ローズ」では、辻口博啓の季節感あふれる旬の素材を用いたスイーツを、ユミカツラオリジナルのプレートに盛りつけた、エレガントなコラボレートメニューを提供中。また、常時Yumi Katsura グランドコレクションやパリコレの映像を上映。披露宴時におすすめのBGM集やローズユミシリーズのアクセサリーなどを展示している。

※(写真上)クグロフ ローズ 4号ギフト
 桂由美と辻口博啓のコラボレーション。スイーツをギフトに。


●Cafe Rose Yumi Rose
桂由美ブライダルハウス 東京本店 2階
〒107-0062 東京都港区南青山1-25-3
03-3408-7990(直通) 営業時間 11:30〜20:00 水曜定休
http://www.katsura-yumi.co.jp/new/cafe_rose_yumi_rose_2.html
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