Sweets(東京) カテゴリーアーカイブ
2010.8.12
[米山雅彦シェフ編]
[藤生嘉治シェフ編]
[西野之朗シェフ編]
[林雅彦シェフ編]
[坊佳樹シェフ編]
エーグル・ドゥースの寺井則彦シェフはシャルロット・オ・ポンムを
ご紹介してくださいました。
このお菓子は、寺井シェフがルノートルでの修業時代に学ばれたお菓子。
残念ながら日本店の店頭に並ぶことはなかったそうですが、
素朴で懐かしい味わいの家庭菓子とのことでした。
寺井シェフにとって伝統菓子とは・・・
トラディショナルなお菓子はいくらでもシンプルにすることができるが、
手をかけ、こだわりをもって、どこまできちんと作れるかを
見つめ直すために作るお菓子なのだそう。
こだわろうと思えばどこまででもこだわることができる。
そんな原点回帰の菓子こそが、寺井シェフにとっての伝統菓子なんですね。
ガルニチュールとなるリンゴは、砂糖、バター、シナモン、
ヴァニラ鞘と混ぜ合わせ、天板に広げて焼成します。
焼き膨らんで繊維質が壊れるぐらいまで。
シナモンはギャバンとニッキを4:1で合わせてらっしゃるそう。
風味と香りの出方を計算されてのことでしょうね。
次にこのガルニと合わせるコンポート・ドゥ・ポムを作っていきます。
まずリンゴの皮、水、レモン果汁を火にかけバーミックスをかけます。
別鍋でキャラメルを作り、リンゴを加えます。
これに先ほどバーミックスをかけたリンゴの皮等と、生クリーム、砂糖を加え
さらにバーミックスをかけて煮詰め、天板に流します。
砂糖はキャラメルの苦み用と甘み用の二回に分けて加えたり、
リンゴの皮まで活用するなど、とても手をかけられた
味わい深く、香り高いコンポート。
リンゴの爽やかで甘やかな香りとビターなキャラメル香が
折重なりあいながら流れきて、鼻腔をくすぐります。
最前列の特権ですね!
このコンポートにガルニのリンゴを合わせて。
パータ・ブリオッシュを厚さ8mmにカットし、澄ましバターをぬります。
(テレビ画像は見にくい色合いでごめんなさい)
型の縁にブリオッシュをはめ、ガルニチュールを詰め、
丸いブリオッシュにもバターをぬり、蓋をします。
このままブリオッシュにリンゴを添えていただくだけでも美味しそ~♪
全ての素材に火が通っていますが、火を入れて全体をなじませるべく
180℃で50分焼成します。
アプリコットジャム、粉糖でデコレートして完成です。
シャンティを絞ったり、アイスを添えて一緒にいただくと
この素朴なお菓子もちょっぴりお洒落なテイストになるとのこと。
リンゴの甘酸っぱさとキャラメルのほろ苦み、そしてブリオッシュのバターリッチな香りと
素朴ながら、思いっきり深呼吸をしたくなるような香味のハーモニー。
ちょっぴり温めて、ヴァニラアイスクリームを添えて、
カルヴァドスかけたりしたら…立派なアシェット・デセールになりますね❤
さらに今後クラブでは、ガレット・デ・ロワ以外の行事菓子にも取り組まれるということで、
パック(復活祭)に食べられるお菓子、アニョー・パスカルも作ってくださいました。
フランス国旗色のリボンとエーグル・ドゥースさんのロゴシールだけで
子羊ちゃんがこんなにも可愛くなってしまうんですね♪
復活祭は日本ではあまり馴染みのない行事ですが、
カトリックではクリスマスと並び大切な行事とされていて、
この時期フランスでは、復活祭のシンボルである卵やうさぎの形をした
チョコレートがショーウィンドーに並びます。
フランス語で「アニョー」は子羊、「パスカル」は復活祭という意味で、
アニョー・パスカルは、アルザス地方で復活祭に食べられる郷土菓子です。
ユダヤ教の「過ぎ越しの祭」の際にいけにえの羊を食べる習慣に由来すると言われています。
材料はローマジパン、卵、小麦粉、バター、砂糖などいたってシンプルで、
卵を別立てにして焼くビスキュイタイプの生地なので、ふんわりあっさりとした味わい。
ナイフを入れるのがためらわれる可愛いフォルムですよね。
アルザスのスフレンハイム村では、アニョー型やクグロフ型の陶器が作られていて、
昨年のクリスマスにアルザスを訪れた時、パカッ♪と中央から開くアニョー型の
あまりの可愛さに魅かれて、最後まで買おうかどうしようか悩んでいた私。。。
来春のパックには、このアニョーパスカルや卵、うさぎのお菓子が
クラブ会員さんの店頭を彩るのが楽しみですね♪
2010.8.9
メゾン・ド・プティ・フールの西野之朗シェフは
タルト・ノルマンドをご紹介してくださいました。
‘ノルマンド’と名がつくと、リンゴが入っているイメージという通り
リンゴがたっぷりと入ったお菓子です。
生地はパータ・ブリゼ。練らないように混ぜ合わせて
2mm厚にのばし、18cmのタルト・セルクルにフォンサージュしていきます。
西野シェフと寺井シェフが仲良く並んで、無言でフォンサージュ^^;
滅多に見られない、貴重なショットですよね!
寺井シェフがされているように、最後は少し持ち上げて角をしっかりと入れるのに
私も初めは四苦八苦していました。。。
ポンム・ソテーには、りんごプレザーブを使用されています。
紅玉やフジなど生のリンゴを使われることもあるそうですが、
酸味が出過ぎてしまうということで、今回はプレザーブを使用。
糖分が入っているタイプのリンゴなので、バターで炒めた後に
少量のグラニュー糖を加え、カルヴァドスでフランベ!
ブリゼ生地にポンム・ソテーを敷きつめ、クレーム・フランジパーヌを流していきます。
クレーム・フランジパーヌは、ダマンドとパティシエールを2:1の割合で合わせ、
カルヴァドスを加えて。
どっしりとしたフランジパーヌがたっぷりと加えられたタルトに仕上げられていきます。
冷蔵庫で少し休ませた後、170℃で1時間以上焼成。
焼き時間は、焼き上がったらというオーボンヴュータン流です(笑)
7~8分まで焼き上がったら、グロゼイユをのせてさらに焼成していきます。
このグロゼイユのえぐみが味のポイントになるんですよ。
リンゴの爽やかな酸味とグロゼイユの土っぽい酸味、
バターとアーモンドのふくよかな香り、そしてバニラの芳醇な香りが溶けあい
素朴なビジュアルから想像する以上に贅沢な風味と香りのハーモニーを奏でています。
さらに西野シェフは、クレーム・エペスの酸味を添えてサーブしてくださいました。
乳製品が豊富なノルマンディー地方では、色々なお料理にも使われるという
このクレーム・エペスは、豊かなコクと香り、やさしい酸味、
そして乳脂肪分30%とさっぱりとした後口が特徴です。
工程はいたってシンプルながら、色々な酸味のマリアージュが楽しめるこのお菓子は、
リンゴの美味しい季節に作ってみたいなぁ…と思わせるほどの美味しさでした。
2010.8.8
[米山雅彦シェフ編]
パティスリー・ドゥ・シェフ・フジウの藤生義治シェフは
ミルリトンをご紹介してくださいました。
ミルリトンは、ノルマンディーのルーアンで昔から親しまれている家庭的なタルトレット。
フィユタージュやパータ・ブリゼなどのタルトレット生地に
アパレイユを流し入れて焼いた素朴なお菓子です。
このお菓子は配合や呼び名を少しずつ変えながらフランスの各地に点在していて、
パリ近郊では、詰めるクリームにオレンジの花の水で香りをつけたり、
アプリコットジャムを加えたり、また南仏ではくるみを入れたりと
様々なバリエーションで作られています。
ただ残念ながら、ルーアンのミルリトンは今ではほとんど作られていないのが現状だそう。
(新版 私のフランス地方菓子 大森由紀子著 参照)
藤生シェフの生地は、パータ・フォンセ。
材料をカードできるように混ぜ、1.5cm厚にのばして
タルトレット型にフォンサージュしていきます。
グラニュー糖、全卵を空気が入らないようにブランシールします。
空気を入れないように混ぜ合わせることで、アパレイユがそのまま浮き上がって
一枚皮ができたようにパリッと焼き上がるのだそう。
ここに溶かしバター、レモンペースト、ビターアマンドなどを加え、
このアパレイユを生地の8分目まで流し、スライスアーモンドを飾り、
さらに酸味をだすために、フルール・ド・セルをはらりと散らします。
最後に粉糖をたっぷりとふりかけていきます。
なんと1mm厚に! 上から見るとまるで真っ白なお山のようです。
サクッ♪と軽やかな食感のミルリトン。
フィリングにはなにも入っていないんですが、
意外にもアパレイユのレモンがしっかりと効いています。
いくつでも食べられちゃいそうな実に軽やかな美味しさでした。