対談

◀次へ 前へ▶

対談 2012/2/29

日本の食文化を海外に伝える 楠本修二郎×辻口博啓

スイーツで日本の食文化の魅力を表現

バレンタインに百貨店で販売した日本酒「元」入りのボンボンショコラ

バレンタインに百貨店で販売した日本酒「元」入りのボンボンショコラ

辻口: 3月3日にシンガポールで行われるイベント「セレブリティ・シェフズテーブル」で、日本の食文化の魅力を表現したスイーツをプレゼンテーションするのですが、今回ショコラを出そうと思っています。
こちらは先日のバレンタインに百貨店で販売したボンボンショコラですが、中に仙台伊達家御用蔵の勝山酒造純米大吟醸「元」の風味が閉じ込められています。

楠本: これは美味しいですね!

辻口: 今回の「セレブリティ・シェフズテーブル」でも勝山の「元」とショコラの融合を考えています。盃にこの日本酒を入れて、ちょっと口のなかを潤わせたら、続いてショコラを口へ。日本酒とショコラを口内調理することで、旨味が広がります。しかも、そのショコラには実は昆布も使おうと思っていて。昆布から出汁をとり、旨味を一気に抽出させてチョコレートと合わせる。そして、さらに日本酒とマリアージュさせます。

楠本: それはすごいですね!ショコラとアミノ酸のマリアージュって今までないんじゃないですか?

辻口: 誰もやっていないと思います。そして、そのショコラには上にちょっと塩昆布を……。

勝山酒造の日本酒「元」

勝山酒造の日本酒「元」

楠本: それで行きましょう!新しい日本の食文化そのものですね。この日本酒ボンボンショコラもすごく美味しい。ひと口でかなりきてます(笑)。

辻口: おいしいでしょう。中に入れた日本酒「元」が僕はすごく好きで、海外に紹介したら面白いと思っているんですよ。

楠本: 日本酒を広めるにはカリフォルニアワインが世界に普及していったプロセスを研究するといいと思いますね。甘口辛口というだけじゃなく、どういうものと合わせるとおいしいか、どんな味なのかを、現地の人が分かりやすいマトリクスで表現していく。海外から見ると、現状ではどうマリアージュさせるかという選択肢が少なすぎるのかもしれません。

辻口: そういう要素を増やす努力はもっとできますよね。旨味をふくらませる日本酒ってなんでもマリアージュさせちゃう魅力があるんですが、それを伝えていくのが難しい。

楠本: 日本はプロダクトに関してはとてもいいものがあるのだけれど、文脈をデザインするという観点が圧倒的に足りていなかったと思います。日本の食文化を世界とつなぐには、外国人がどう表現するかというところからデザインしないといけない。さまざまな要素を再編集し、いかにコミュニケーションをデザインしていくかです。


こんな記事もどうぞ