対談

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対談 2009/11/13

世界を見られる人材育成を 大橋正行×辻口博啓

愛知県名古屋市に、2010年春、新設するユマニテク歯科製菓専門学校「ユマニテクスイーツ」。この日は、特別講師として、デモンストレーションを行うため辻口シェフが学校を訪ねました。未来を担うパティシエ像について、大橋理事長と話が弾みます。

文 三好彩子 撮影 森秀夫

アジアスイーツを日本が牽引

辻口:大橋さんが会長を務められている、大橋学園グループは、教育機関としてこれまで様々な分野の卒業生を輩出されていますね?

大橋:デザイン、理学療法、作業療法、看護、介護福祉、歯科衛生、はり灸などですね。そして三重県四日市市にあるユマニテク調理製菓専門学校は、東海3県では、はじめて、製菓衛生師養成校を設置した学校です。

辻口:そして、2010年の春には、名古屋駅のすぐ近くに、パティシエを養成する、ユマニテク歯科製菓専門学校を設置されるというわけですね。でもなぜ今、製菓なんでしょうか?

大橋:洋菓子だけでなく、和菓子や中華菓子も含めて、お菓子というのは、これからますます広がりを見せる分野だと思います。従来、調理師学校の中でも少しは、お菓子づくりを学ぶことができましたが、そこから次第に製菓や製パンが独立して一人歩きを始めたでしょう。それならば、駅から近くて通いやすい場所で、きちんとした設備があって、本格的に製菓を学べるスクールがあるべきだろうと考えたからです。

辻口:今日僕は実際、この新しい学校の厨房設備を使ってデモンストレーションをさせてもらいましたが、作業してみて、本当に衛生的で機能的でした。名古屋駅から歩いて約5分ということで、環境・立地も含めて無駄がない。すばらしいですね。大橋さんは、ここから、どういうパティシエがここから巣立っていけばいいな、とお考えですか?

大橋:外を見られる人であってほしいなと思います。

辻口:外をですか?

大橋:ええ、そうです。僕は仕事で中国に行く機会が多い。もともと僕自身が甘党なので、海外に行った際も、現地で甘いものが欲しくなるんです。でも、現地のお菓子のレベルを見ていると、まだまだ日本の製菓技術とは大きな開きがあります。

辻口:確かにそうですね。

大橋:例えばね一流ホテルといわれるところでケーキを食べようと思って注文しても、日本で食べているような味わいのものには出会えない。それがとても残念でした。かといって、スーパーやコンビニエンスストアのような場所に行っても、日本のお菓子が流通しているわけでもありません。なかなか満足感を得られずに帰ってくることが多いんです。中国に限らず、アジア全般に、もっと日本のお菓子や製菓技術が浸透してもいいんじゃないか?って、身を持って感じていました。

辻口:中国、韓国、台湾などで、製菓業界を引っ張っている、重鎮と呼ばれるパティシエの方々は、実は、日本で製菓を学んだ人が多いんですよ。今後はもっともっと、アジアのスイーツを日本が牽引する時代になるということですね?

大橋:そう、それが実現するととても楽しいと思いませんか?もちろん、その土地の食文化というものは存在しますし、各国のベーシックな部分はきちんと守っていかなければならないと思いますけれど。

辻口:そうですね。では、どんな人材だとアジアのスイーツ界のリーダーシップが取れると思われますか?

大橋:製菓技術の基本はもちろんのことですが、今後はたとえば、語学力も必要になるでしょうし、グローバルな視野で、その土地に合ったニーズを読み取る力も必要とされるんじゃないでしょうか。つまり、今までよりももっと幅広い能力がパティシエにも要求される。そういう時代になると思うんですよね。

大橋正行プロフィール

大橋正行
1948年三重県生まれ。文化女子大学勤務後、27歳で学校法人大橋学園理事長に就任。ファッション、調理製菓をはじめ、商業実務・看護・福祉・医療の専門学校を次々と設置、2002年には愛知県にも活躍の場を広げ、社会福祉法人、サポート企業等も持つ「大橋学園グループ」として大きく事業を展開している。現在、学校法人あいち大橋学園理事長、大橋学園グループ会長、社団法人日本介護福祉士養成施設協会理事、同東海北陸ブロック協議会会長等の要職を務める。創立65周年を迎える2010年4月には名古屋駅前に「ユマニテク歯科製菓専門学校」を開校し、豊かな人間性と確かな技術を兼ね備えたパティシエの育成を目指す。

ユマニテクカレッジ ユマニテク歯科製菓専門学校
(2010年4月校名変更予定/現校名:名古屋ユマニテク歯科医療専門学校)
所在地:愛知県名古屋市中村区名駅2-33-8
TEL:052-564-0084
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